市場の「免疫機能」と紛争の日常化

中東情勢、また停戦が破られたっちゅうニュースが先週末にながれたけど、今朝の日経平均の寄り付きを見たら、普通に上げとった。

「ホルムズ海峡再封鎖」って聞いたら、ちょっと前なら株価ガクンと下がってもおかしくない見出しやのに、市場はほとんど無風。最初は「あれ?」と思ったけど、よう考えたらこれ、見たことあるパターンやねん。

コロナで見た「市場の免疫機能」

2020年、最初の緊急事態宣言が出た時、世界中の株価は連日大暴落しとった。感染者数が更新されるたびに市場が動揺して、ニュースの見出し一つで何百ポイントも動くような時期があった。

ところが2022年くらいになると、感染者数が「過去最多」を更新しても、もう誰も驚かんようになっとった。むしろ「だいたいこの辺で収まるやろ」って市場側が学習して、コロナのニュース自体に対する反応の閾値がどんどん上がっていった。

これ、ウイルスに対する免疫がついていくのと同じ構造やねん。最初の感染(情報)には激しく反応するけど、似たような情報に何度も触れるうちに、抗体(耐性)ができて反応が鈍くなる。市場も生き物みたいに「ニュースに対する免疫」をつけていくんよな。

ロシア・ウクライナ戦争も同じ道を辿った

2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻した直後は、世界的な株急落とエネルギー価格の爆発が起きたんや。

あの時は「第三次世界大戦になるんちゃうか」くらいの空気感やったのを覚えとる人も多いはずや。

せやけど、もう4年目に入った今、最前線でどんだけ小競り合いが続いてても、市場はほとんど反応せんようになってしもうた。ミサイル攻撃のニュースが流れても、せいぜい「今日もどこかで攻撃あったんやな」程度の扱いで、よっぽど大きな転換(原発への直接攻撃とか、NATOの直接介入とか)がない限り、株価も為替もほぼ無風。

戦争そのものは全然終わってへんのに、市場にとってはもう「日常ニュースの一部」になってしもうとる。これがまさに紛争の日常化や。

今朝の流れを見て、今回の中東も、このパターンに乗っかってきてる感じがするんよな。

2月の本格攻撃(最高指導者殺害クラスの大事件)の直後は、原油が90〜99ドル台まで跳ねるレベルの本気のパニックやった。

せやけどそこから半年、「停戦合意→数日で違反→報復→また停戦」のループが5回以上繰り返されてるうちに、市場の反応はどんどん小さくなってきとる。今回のホルムズ海峡再封鎖宣言での原油上昇も、たった3%程度。コロナで言うたら「もう何回目の感染拡大やろ」状態に入ってきとるんよな。

トランプの恫喝と妥協のワンパターン化も、この免疫形成を後押ししてる面はあると思う。脅し→実際そこまでやらん→市場が学習、を繰り返すことで、「どうせまた折れるやろ」が市場の前提になってしもうてる。

免疫がつくこと自体は悪くない、ここまでの話で市場が小さなノイズに過剰反応せんようになるのは、本来は健全なことやし、無駄なパニック売りが減るって意味では合理的でもある。

問題は、免疫がつきすぎた状態のまま「本当にヤバい変異株」みたいな事態が来た時や。

コロナで言うたら、感染者数に慣れすぎたタイミングで新しい変異株が出てきても、市場も人々も最初の反応より鈍くなってしまう。ロシア・ウクライナで言うたら、4年間の小競り合いに慣れたタイミングで、原発攻撃みたいな本当の転換点が来たら、その「慣れ」の分だけギャップが大きくなる。

中東もまさにこのフェーズに入りかけてる。「協定の当事者やない者が協定の隙間を突いて好き勝手やる」っていう今のグレーな状況に市場が慣れきった頃に、もし本当にホルムズ海峡が長期封鎖されるとか、核施設絡みで本格的なエスカレーションが起きたら、その時の反動は「慣れてた分だけ」大きくなる可能性がある。

まとめ:日常化したリスクこそ、一番危ない

コロナ→ロシア・ウクライナ→中東、この3つに共通してるのは「最初は本気のパニック→時間が経つと日常化→市場は鈍くなる」という流れや。

紛争や危機が長期化すること自体が、市場の警戒レベルを下げていく。これは投資家として一番気をつけなあかんポイントやと思う。「もうニュースに驚かんようになった」っていう感覚は、実は一番危険信号なんかもしれん。

ニュースに慣れること自体は人間の防衛機制として当然やけど、相場で生き残るには「慣れてるからこそ警戒する」っていう、ちょっと逆説的な姿勢が必要なんよな。

コメント

タイトルとURLをコピーしました