■ まずは数字から見てみよか
7月24日(金)のニューヨーク市場、こんな終わり方やった。
ダウ工業株30種平均 51,947.25ドル(+235.60)
ナスダック総合指数 24,975.82(-161.87)
S&P500 7,411.98(+3.68)
ダウは上げて、ナスダックは下げる。S&P500はほぼ動かず。
いわゆる「捻れ」ってやつやね。
前日の木曜には、アルファベットとテスラの決算を嫌気してナスダック100が
1.87%安と大きく崩れてる。その温度差がそのまま金曜に持ち越された格好や。
こういう日を見ると、どうしても「AI相場、終わったんちゃう?」って
不安になる人が多い。実際SNSでもそういう声はよう見かける。
でもな、オレはちょっと違う見方をしてる。
■ 「終わった」んやなくて「選別が始まった」
今起きてることを一言でまとめると、こうやと思う。
「AIって名前が付いてたら何でも上がる相場」が終わり、「AIの中で、誰が実際に儲かるんか」を市場が選り分け始めた、ってことや。
これは6月のブロードコム・ショック以降、じわじわ1カ月以上かけて、進行してきた流れの延長線上にある。
高成長のテック株からヘルスケアや生活必需品といったディフェンシブへの資金シフト、いわゆるセクターローテーションやね。
大事なんは、業績そのものが壊れたわけやないってこと。
7月上旬のメモリ株の急落も、業績悪化というより急騰後の利益確定色が濃い、
というのが多くの市場関係者の見方や。
上がりすぎたもんが一旦戻る。それだけの話を「バブル崩壊」と呼ぶんは、
ちょっと気が早い。
■ アルファベットの決算が、実は一番わかりやすい
今回いちばん象徴的やったんが、アルファベットの第2四半期決算や。
内容だけ見たら、めちゃくちゃええ。
・売上高 1,198億ドル(前年同期比 +24%)
・Google Cloud 売上 247.7億ドル(+82%)
・営業利益 408億ドル(+30%)
数字は文句なしの好決算。なのに株は売られた。なんでか。
答えは設備投資(CapEx)の増加や。
アルファベットは2026年通期のCapExガイダンスを、
従来の1,800~1,900億ドルから1,950~2,050億ドルへ引き上げた。
そのうえで「2027年もさらに大幅に増やす」と明言しとる。
さらに6月には、この投資資金を賄うために800億ドル規模の増資まで
やっとる。潤沢な営業キャッシュフローを持つ会社が、株式の希薄化を
伴う資金調達に踏み切るんは、はっきり言って異例や。
つまり、こういうことやと思う。
「今データセンターと電力と半導体を押さえとかんと、
この競争には勝てへん」
という危機感が、それだけ強いということ。
利益より投資を優先する、という経営判断を市場に突きつけたわけや。
で、市場はそれを「将来の強さ」やなくて「目先のフリーキャッシュフローの
毀損」として受け取った。だから好決算やのに売られた。
■ ほなら、そのお金はどこ行くん?
ここが今回いちばん面白いとこや。
アルファベットが吐き出した2,000億ドル規模のカネは、消えてなくなるわけやない。
誰かの売上になるんや。
行き先はだいたいこの辺や。
・データセンター建設
・GPU/TPUの調達
・ネットワーク設備
・そして電力インフラ
実際、木曜にナスダック100が1.87%下げて、マグニフィセント・セブンが
全面安になったその日でも、マイクロン、KLA、アプライドマテリアルズ
あたりは上昇しとる。
これ、めっちゃ示唆的やと思わへん?
顧客(ハイパースケーラー)のFCFは削られる。
でもベンダー(供給側)の受注は積み上がる。
同じ「AI関連」いう括りの中で、この分岐がもう起き始めとる。
指数の下げ幅だけ見てたら、絶対に見えへん景色や。
■ ただし、浮かれる前に注意点が2つある
ここまで書いといて何やけど、そう単純な話でもない。
自営業投資家として、ここは冷静に見ときたい。
【注意点1】CapEx拡大は「需要シグナル」であって「受注確定」やない
ハイパースケーラーが投資を増やす、いうんは業界全体にとって明るいニュースやけど、それが「うちの持ってるA社の売上が確実に増える」
ことを意味するわけやない。契約が公表されてへん限り、期待は期待や。
【注意点2】発注は今、売上は来年以降
これがけっこう効く。
アルファベット自身が「TPUシステム販売の収益は、その大半が2027年に
計上される見込み」と言うとる。今年計上される分は比較的小さい、と。
つまり時間差がある。
「発注は今、売上は来年以降」やのに、株価だけ先に期待を全部織り込むと、
どうなるか。ちょっとした失望で深く調整する。
7月上旬のメモリ株の急落が、まさにそのお手本やった。
このタイムラグを頭に入れとくかどうかで、下げた時の対応が変わる。
慌てて投げるか、想定内として構えられるか。
■ もうひとつの重石 ── 金利が戻ってきた
それともうひとつ、忘れたらあかん話がある。
紅海でフーシ派によるタンカー攻撃があって、原油が上がった。
そこから「インフレ再燃 → FRBの追加利上げ懸念」という経路が復活しとる。
つまり今の相場は、
AIテーマの息切れ+地政学リスク+金利の重石
がトリプルで乗っとる状態やで、テーマの問題だけやないから、ちょっと厄介やね。
オレは早期警戒指標としてVIXと長期金利を見とるけど、
来週はここが特に大事になると思う。
7月29日のFOMC、これが直近の関門や。
■ 自営業投資家として、どう構えるか
さて、ここからが本題や。
ワシら自営業者は、毎日チャートに張り付いてられへん。
店開けなあかんし、仕込みもあるし、経理もある。
そういう立場から今回の局面をどう見るか。
3つだけ書いとく。
【1】「指数が下がった」で判断せんこと
ナスダックが下げた日に、半導体の一部は上がっとる。
指数はあくまで平均値や。中身を見んと、何が起きとるかわからへん。
毎日追えへんからこそ、月に一度でも中身を確認する習慣は効いてくる。
【2】「川上」から「川下」への視点の移動
AI投資の焦点が、半導体(川上)から、電力・インフラ・実装企業(川下)へ
移りつつある。データセンターは建てただけでは動かへん。電気がいる。
このテーマは、これから数年かけて効いてくると思う。
【3】結局は「気長にコツコツ」
これに尽きる。
無理なレバレッジをかけず、現物で、時間を味方につけることが一番や。
今回みたいな捻れ相場は、慌てて動いた人ほど損をする。
逆に言えば、オレら「毎日は見られへん」勢の方が、
むしろ有利に働く局面やと個人的には思う。
■ まとめ
・7月24日はダウ上げ・ナスダック下げの捻れ相場やった
・でもこれは「AI相場の終わり」やなくて「選別の始まり」
・アルファベットは好決算やのに、CapEx拡大とFCF毀損で売られた
・そのカネは半導体・データセンター・電力インフラへ流れる
・ただし「発注は今、売上は2027年」というタイムラグに注意
・原油高→インフレ懸念という金利の重石も同時に乗っとる
・7月29日のFOMCが直近の関門
「AIならなんでも上がる」時代は終わった。
でも、それは悪いことばっかりやない。
なんでも上がる相場では、ちゃんと調べた人も調べてへん人も、同じように儲かってしまう…これは実力が反映されてへん分、実は怖い話やねん。
選別が始まったいうことは、
考えた人にちゃんと報いる相場に戻った、ということでもある。
ワシらみたいな弱者は、そういう相場の方がまだ勝負になるはずや。
気長にコツコツを忘れずに。
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※本記事は筆者個人の見解を記録したものであり、特定の銘柄の
推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。
記載内容は執筆時点の公開情報に基づいています。
投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
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